旅先で美術館を訪れる人は多い。オーストリアのウィーンの現代美術館「クンストハウス・ウィーン」では、館内全体でエコを体感できる。展示はサステナビリティ、気候変動、リサイクル、生物多様性をテーマにしており、2024年には、環境問題と芸術を結び付けたアートフェスティバル「第1回気候ビエンナーレ・ウィーン」のメイン会場にもなった。このイベントは、同国のエネルギー基金や大手企業などがスポンサーとなって3カ月間開催された。
建物はガラス、木材、タイルなどをふんだんに使ったオーガニックな雰囲気で、屋上や館内には260種以上の植物が育つ。以前は家具工場だった建物をエコ志向に作り変えたのは、ウィーン生まれの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(2000年没)だ。氏は環境保全や生態学に強い関心をもっていたことで知られている。