ZEHからプラスエネルギーの時代へ

ドイツの自治体は建物の省エネ化で未来を生き抜く

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ドイツ国内のエネルギーのうち、約40%が建物で消費されています。うち、住宅でないもの、非住宅建築物が消費するのは、住宅の棟数の10分の1以下しかないにも関わらず、38%、国全体でみると15%を占めます。国内には11000の市町村が存在しますが、150万棟ある非住宅建築物のうち、30万棟がこの自治体関連施設になります。この自治体の中には財政状況が悪いところも少なくありません。そうした市町村が、今後も生き抜いていくために建物の省エネ化に力をいれているのはなぜか、今後の事例紹介の前にまずは背景のお話から始めたいと思います。

足並みは揃えない

ドイツが個人主義を重視、つまり尊厳と自己決定に価値概念を抱いていることは、人レベルのみではなく、市町村という単位でも同じです。国、州、地域との連携をとりながらも、独立した市政を維持し、地域のアイデンティティーを尊重していくというのは、都市計画でもベースとなっています。ですから、初めての取り組みであるとか、まだあまり普及していないものを試したがることは少なくありません。こうしたメンタリティも背景に、公共建築物の省エネ化でも、中身があるだけでなく、目立つプロジェクトを練る自治体が先進的な事例を生み出すわけです。

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