ZEHからプラスエネルギーの時代へ

1本の木=木材+バイオマス燃料+断熱材:渋みのもとタンニンが断熱材に

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ドイツ国内では建物の省エネ化にともなって、断熱資材市場が大成長を遂げました。これには断熱材メーカの強力なロビー活動による影響があったことは間違いありません。しかし、近年では従来型の石油ベースの断熱材は評判、シェアともに向かい風を受け、それに対して、一昔前では揶揄の対象となることも少なくなかった自然素材系の断熱材が性能向上ともに、シェアも10%を超えるなど、一般にも幅広く使用されるようになりました。これには木質系や羊毛等、様々なものがありますが、その一つとして、一つの素材から一つの商品のみでなく、複数の商品を生み出すよう、樹皮等に含まれる渋みのもととなるタンニンから断熱材を製造する研究がされています。

大成長を遂げた断熱材市場

ドイツ国内では、過去15年に渡り建築物に対する省エネ基準が段階的に強化され、その要求内容の一つである断熱性能も、今日では非常に高いレベルでなければ基準を満たせない状況になりました。基準強化と同時に成長したのは断熱材の使用量です。2002年の、躯体と設備の省エネ性能を合わせて評価するようになった省エネ基準EnEVの施行から、断熱材の市場は、現在の年間約4800万m3まで、およそ2倍の成長を遂げました。

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