東日本大震災以降、日本では石炭火力発電所の新設計画が目白押しである。昨年、政府が策定した「エネルギー基本計画」が「重要なベースロード電源」というお墨付きを与え、停止している原発に替わる電源を確保しようとする既存電力会社、電力市場への進出のために独自電源が必要な新規参入企業が、コストの安さを理由に設置しようとしているためだ。
しかし、石炭火力は、最新型であっても二酸化炭素排出量が天然ガス火力の2倍以上。欧米各国が事実上、新設を不可能にする規制を導入しつつある中で、日本が大量の石炭火力発電の増強を進めれば、世界の温暖化対策に逆行するものとして、国際的に批判にされるのは必至だ。環境政策の観点から間違っているだけでなく、ビジネス判断としても正しいものとは言えないのではないか。
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