前回の投稿では、農業のIT化は農家以外の農業関係者、具体的には農業資材業者、流通業者、小売業者、消費者、そして農業用システムの開発メーカーなどを巻き込んで検討することで、大きなビジネスチャンスがあると述べた。しかし、このような農業のIT化を推進する上で、考えなければならない問題がある。それは「どこでマネタイズするか(売上を確保するのか)」という問題だ。
単純に考えれば、サービス利用者(多くの場合は農家などの生産者)が、その利用料を支払うことになるが、専業農家の多くは、サラリーマンのように定期的な収入があるわけではなく、品目や営農形態によっては年に1回や2回の収穫時にしかキャッシュが入らないこともある。そのため、農家はキャッシュ・フローが悪い状態にあることが多く、たとえ価値のあるシステムやサービスを開発しても、農家から高い利用料を請求するモデルは成り立ちにくい。
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