前回に引き続き、圧縮機について消費エネルギー削減という観点から述べる。前回までのコラムでは、圧縮機の速度領域の観点から、中速域において入力するエネルギーが空気を圧縮する仕事に有効に使われることを述べた。今回は、圧縮機が工場や事務所で実際に使用される際に考慮すべき観点として、圧縮空気の消費量から省エネルギーの課題を述べる。
圧縮機の圧縮空気の消費量は、空気消費量と所要空気量の2種類に分けられる。空気消費量は圧力、温度、ノズル断面積の数値をもとに求められる空気量で、ランニングコストやコンプレッサの選定時に用いられる。所定時間内に上流からアクチェータ等へ供給が必要な流量は所要空気量である。エアコンビネーションや増圧弁などの選定に使用する。ここでは空気消費量の考え方について述べる。