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エネルギーコスト削減メソッド

エネルギー消費量の多い空調機器の熱負荷軽減対策を考える(機器別分析24)

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前回に引き続き、エネルギー消費量が多い空調機器を管理することが重要であるために、空調機器の消費エネルギー削減方法を述べる。今回は、熱媒体の搬送システムとして水配管とポンプ系について述べる。

冷水や温水を空調機に送る熱搬送設備としてポンプを用いる。温水を専用で送るポンプを温水ポンプ、冷水を専用で送るポンプを冷水ポンプという場合もある。ポンプの動力源は電動モータであり、その容量Mは、総水量G、全揚程H、ポンプの全効率ηを用いて以下で決定する。

式1 ポンプ動力源の容量M

省エネルギーの観点からは消費電力量が観点となるが、この容量Mに運転時間を乗かけて求める。上記の式から明確で、水配管とポンプ系の省エネルギー化を図るためには、総水量G、全揚程Hを小さくするか、全効率ηを上げることが必要となる。

具体的には、送水量を適切に減少すること、所要揚程を低減すること、効率の良いポンプを導入することが効果的である。

現在では一般的となった、負荷変動に追従可能な効率良いインバータ方式を採用も、負荷状況によっては効果的で、運転時間を短くする方法として、使用時間帯ごとにゾーニングを行うことも考えられる。

省エネルギーの観点から、熱媒用流体として空気と水を比較されることが多い。結論的には、同じ熱量を所定の位置まで搬送する場合、水が空気に比べ約半分で済み省エネルギーな流体である。

それぞれの利点から、負荷変動の大きいペリメーターゾーンは搬送が有利な水で、インテリゾーンと潜熱負荷に対しては空気で処理する併用方式も多い。

送水量の決定について

上記のように、省エネルギーの観点から送水量を少なくすることが良いと述べたが、空気調和の観点から容量を決定することが基本となる。ポンプの送水量は空調機やファンコイルユニットなどの所要熱量に見合った最大搬送熱量を求め、次式で表される。

式2 ポンプの送水量G

上記の式からもわかるように、送水量を適切に減少させるには、搬送熱量とポンプ動力による温度上昇および配管などからの熱取得・損失などの適正値を、ある程度の数の実例を参考にして、実態に合わせて求める必要がある。

また、ダクト-送風機系と同様に、送水温度差を大きくとると、送水量が減りポンプ動力を減少させることができる。

具体的には、冷温水コイル・冷凍機蒸発器・凝縮器の出入口温度差を大きくとり、流量を減らして換気ファンや循環ポンプの搬送動力の削減を図るものである。

能力=流量×温度差となるため、温度差と流量は反比例の関係となり、温度差を大きく取れば、流量が少なくなり搬送動力エネルギーが削減できる。

冷水の往きと還り温度の差を通常のシステム(Δt=5℃)に比べて大きくする(Δt=7℃以上)ことにより送水量を低減し、ポンプにかかる搬送動力を削減するシステムであり、熱源の変更、空調機コイルの変更を行う。

次ページ →所要揚程の決定について

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この記事の著者

杉井 康之(すぎい・やすゆき)

ミノリソリューションズ株式会社 代表

1989年に東京電力に入社。支店現業業務、本店技術開発本部電気利用グループ、本店新規事業開発本部などにてITを利用したエネルギーマネジメントのソリューション事業の事業化検討。2003年に株式会社ディグ(総合印刷会社:東京都中央区)に入社。環境ソリューションの展開、印刷事業のIT化に従事。2008年に同代表取締役。2010年にミノリソリューションズ株式会社創業。環境ビジネスオンラインが主催する「省エネルギー商材向け ソリューション型営業力養成講座」の講師も務める。

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