エネルギーコスト削減メソッド

エネルギー消費量の多い空調機器の熱負荷軽減対策を考える(機器別分析24)(2ページ目)

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所要揚程の決定について

配管系の所要揚程を決定する際のポンプの揚程を低減させるための方策としては、配管系の長さを短くすることが効果的である。

熱源機器と空調機やファンコイルユニットの配置計画によって、その間を連絡する配管経路は決定するが最短の長さとする。また、適切な設計流速とすることも重要である。

配管の流速をvとすると、配管の単位長さ当たりの摩擦損失ΔPは、v2に比例する。またポンプの動力Mはv3に比例する。

したがって、配管の流速を低減させることは、ポンプの動力の現象となり省エネルギー効果がある。しかし、流速を遅くすることは、配管寸法が大きくなり設備費は増大する。

必要以上に流速を速くすることは、浸食の増大とウォータハンマの発生にもつながるので注意を要する。回路の設計に係わるが損失水頭を減らす方法もある。

水配管方式として密閉回路を開放回路がある。開放回路のポンプ動力は、密閉回路のポンプ動力よりも静水頭に見合う動力を余分に消費する。

建物高さが高い場合は静水頭が増大し、ポンプ動力の増加は顕著に表れる。

また、開放回路では密閉回路と同じ流速でも管内面の腐食や汚れなどにより、摩擦抵抗は、密閉回路の場合より大きくなり、損失水頭も増大する。

したがって、ポンプの動力を低減するためには、損失水頭の多い開放回路を採用すべきでない。

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