前回に引き続き、エネルギー消費量が多い空調機器を管理することが重要であるために、空調機器の消費エネルギー削減方法を述べる。今回は熱回収方式について述べる。熱回収は、建物内において発生する熱を回収して、主として暖房給湯用熱源として有効利用する方式であり、省エネルギー化を進めるにおいては有効な方法である。業務部門では人間の活動、照明、事務機器が熱の発生源となる。また、生産部門では、生産設備からの排水や排気が熱の発生源となる。発生源としては、温度ができるだけ高く、熱量が豊富で、発生時間が負荷側での熱利用時間と重なっていることが望ましいが、蓄熱システムを導入することで、熱利用時間の自由度を上げることが可能となる。
熱回収方式としては、比較的低温の熱源からも熱回収可能なヒートポンプ方式、換気時に顕熱と潜熱の両方の熱を回収する全熱交換方式に分類される。