世界では陸上風力から洋上風力への展開が進んでいる。洋上風力のほぼ全ては着床型と呼ばれる、海底に杭打ちする固定式によるものだ。
一方、日本では洋上風力は緒についたばかり。本格的(沖合型)洋上風力発電はまだ存在しない。
しかし、震災後、突如として浮体式洋上風力発電という海に風車を浮かべる方式が脚光を集めだしている。世界的には珍しい方法であり、浮体式洋上風力がどのようなものなのか、そして日本の未来を担えるのかを検証してみたい。
世界の洋上風力
陸上風力が普及し、国土に風車の設置場所が徐々に少なくなったデンマークやドイツでは、風も良く遠浅な海を利用して、洋上に風力を立て始めた。これが徐々に他国に広がり、風況が欧州でも非常に良く、北海油田、北海ガス田での海上プラットフォームの蓄積もあるイギリスが洋上風力で世界をリードするようになった。
その後、洋上風力はアメリカや中国へと広がりを見せている。
日本の洋上風力
日本では本格的な洋上風力はまだ存在しない。瀬棚の洋上風力は港内にあり、神栖の洋上ウィンドファームも海岸から50m程度であり、外洋というところまでいかないのが実情だ。
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