固定価格買取制度は20年間の価格固定がなされるため、プロジェクトがしっかりしていれば燃料調達がない(バイオマス発電を除く)こと、気象条件など統計的に予想しやすいことから、長期的な安定運用先として魅力的である。
このため、固定価格買取制度の歴史が長い欧州では再エネビジネスは事業者だけでなく、年金などの運用資金によるファンド投資も盛んになってきている。
例えば最近ではデンマークの年金ファンドがアメリカの洋上風力発電所に2億ドルの投資をすると発表している。また、様々な年金資金が陸上風力発電にも投資を行っている。また、オランダなど他の欧州でも、そして欧州ではないが、ブラジルでも風力発電事業へ年金資金がファンドとして投入されている。
(以上、前回より)
今ブームのメガソーラーが一服しつつあり、次のステージは風力発電になるだろう。また、最近は洋上風力の計画も非常に増えてきている。
このため、膨大な資金が必要となるが、これまでは、事業者の資本金と、銀行によるプロジェクトファイナンスが支えてきた。とはいえ、銀行もプロジェクトファイナンスに慎重であり、現在風力発電は、超大規模案件と小規模案件に分化しており、大規模では10万kWクラスで300億円規模、洋上風力では1000億規模になるだろう。一方、小規模案件は環境アセスメントの問題も有り、1本で6億円、あるいは3本で18億円規模というイメージに成る。
こうなると、大規模では単独行では難しいため、シンジケートローンとなり、更に組成の取りまとめが難しくなる。また、事業者もプロジェクトファイナンスでは資本金は投資額の20~30%とされるため、300億円の投資では20%でも60億円の資本金が必要になる。これは事業者にも銀行にも重くのしかかる。
全文は有料会員にログインしてお読みいただけます。
残り 49 %