今回は、日本における需要応答の導入に関して、その必要性とPPS(新電力)最大手のエネットの取組みについて、ご紹介します。
ピーク電力抑制において「ネガワット」と「ポジワット」は同等の効果
日本では2012年夏以降の電力需給のひっ迫化に対応して、需要応答を早期に、かつ、広範に取り入れていくことが必要になっています。と同時に、7月から開始された再生可能エネルギーの全量買取り制度等に応じて、再生可能エネルギー導入拡大も進めていかなければならない状況です。需要応答には電力ネットワーク全体の需給平準化効果もあるので、供給が不安定な再生可能エネルギーの導入を拡大する効果もあります。とすれば、日本においても需要応答を国家的な取組みとして推進する必要性は、非常に高いものと言えます。
このうち、 私たちができるピーク電力抑制については、「省エネ(ネガワット)」と「創エネ(ポジワット)」の2つの形があります。スマートグリッドの環境が拡がると、ポジワットを実践する人が積極的に行動できるようになりますが、ピーク電力抑制にはネガワットにもポジワットと同様の重みがあります。ちなみに、アメリカ連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission)は2011年3月、ネガワットはポジワットと基本的に等価であるという指針を示しています。
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