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見えてきたスマートグリッドの現実

アメリカのデマンドレスポンス

加藤 敏春

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これから数回にわたり、需要応答(ディマンド・レスポンス)の先進国であるアメリカの状況を解説します。今回はその第1回目として、需要応答によるピーク電力抑制を国家プロジェクトとして推進するアメリカの全体的な動向と課題についてご紹介します。

「価格型需要応答」と「インセンティブ型需要応答」の2種類

アメリカの多くの地域で、1970年代の石油ショック以降、真夏の午後などの需要ピーク時にユーザが消費電力を抑制すると、代わりに電気料金の一部を払い戻すといった取り組みが行われてきた。しかし、ピーク電力消費抑制手段として需要応答への取り組みを始めたのは、2005年エネルギー政策法が制定されてからです。

ここで言う需要応答 には、「価格型需要応答」(Price-based Demand Response)(時間帯別に供給費用の違いを反映した電気料金を設定すること)と「インセンティブ型需要応答」(Incentive-based Demand Response)(プログラム設置者が需要家と契約を締結し、卸電力料金の高騰時または緊急時に、需要家に対して負荷制御を要請ないし実施する)の2種類があるとされており、日本の大口需要家との需給調整契約や家庭向けにも提供されている時間帯別料金(TOU;Time of Use)といったものも含まれる広範な概念内容となっています。

2005年エネルギー政策法がピーク電力消費抑制手段として需要応答を推進することとしたのは、費用対効果が高いからです。たとえば、調査会社であるGTMリサーチは1メガワットの供給予備力を確保するため必要なコストについて、LNG火力発電の場合は40万ドルかかるのに対して、需要応答の場合はその6割の24ドルと試算しています。

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この記事の著者

加藤敏春(かとう・としはる)【スマートプロジェクト代表&エコポイント提唱者】
加藤敏春(かとう・としはる)【スマートプロジェクト代表&エコポイント提唱者】
1977年東京大学法学部卒業、同年通産省(現経産省)入省,84年米国タフツ大学フレッチャー・スクールにて修士号取得。その後、在サンフランシスコ総領事館経済担当領事,通産省サービス産業課長,東京大学大学院客員教授,内閣審議官等を歴任。1994年から95年にかけてインターネットの商用利用,ベンチャービジネスに関するシリコンバレーの動向を日本に紹介。以来各種の提言活動を展開し、一般社団法人スマートプロジェクトを設立。「エコポイント提唱者」として政府が進める省エネ家電&住宅エコポイント事業に協力するとともに、節電、スマートグリッドの推進、CO2排出削減等に関する公益的活動を展開。 著書に『スマートグリッド革命』(NTT出版)、『節電社会のつくり方』(角川書店)、『エコマネー』(日本経済評論社)、『マイクロビジネス』(講談社)など多数。第17回東洋経済・高橋亀吉記念賞最優秀賞などを受賞。「プランB」の詳細を記した新著『スマートグリッド「プランB」-電力大改革へのメッセージ』(NTT出版)を本年5月17日に上梓。
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