今回は、スマートグリッド「プランB」の中でも最も注目を集めている 「需要応答」(ディマンド・レスポンス)の2回目として、アメリカにおける需要応答の展開状況を概観するとともに、今後解決が必要な課題についてご紹介します。
「緊急プログラム」と「経済プログラム」の2種類
アメリカの場合も、日本同様、電力会社の多くは固定料金制(フラットレート)で、時間別の料金体系にはなっていませんが、連邦エネルギー規制委員会(FERC)は、需要応答を電源や送電設備と同様に長期的な供給力と位置付けており、電力会社はさまざまな取組みを推進しています。
日本の電力中央研究所の2006年報告「アメリカにおける需要反応プログラムの実態と課題」によると、アメリカの需要応答の展開状況は、次の通りです。
(1).小売電力市場においてリアルタイム料金制や緊急ピーク時間帯料金制などを需要家に提供している供給事業者存在する。
(2).卸電力市場の需要反応プログラムには、需給ひっ迫時に「独立系統運用者」(ISO;Independent System Operator)が需要削減を要請する「緊急プログラム」と、市場価格に応じて需要家が負荷削減を行なう「経済プログラム」がある。
(3).需要応答の導入が先行しているPJMインターコネクション(ペンシルベニア州とニュージャージー州管轄するISO)とISOニューイングランド(ニューイングランド地方を管轄するISO)が提供する経済プログラムの中で,負荷削減量が際立っているのは、PJMインターコネクションのリアルタイムオプションである。
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