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見えてきたスマートグリッドの現実

日本のハンディキャップは競争力決める「頭脳循環」

加藤 敏春

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インドのシリコンバレー・バンガロール郊外に建設されたホワイトフィールド地区(iFlex building)

インドのシリコンバレー・バンガロール郊外に建設されたホワイトフィールド地区(iFlex building)

スマートグリッド、スマートコミュニティに関する新産業の創生やイノベーション(=スマートイノベーション)について解説していますが、今回は、その5回目として「産業競争力の決定要因において『ハンディキャップ』を抱える日本」について解説します。

項目としては、
1.最新の経済地理学が教える産業競争力の決定要因 、
2.「頭脳循環」によるシリコンバレーと強力な連携がポイント、
3.『ハンディキャップ』を抱える日本はどう対処すべきか 、です。

最新の経済地理学が教える産業競争力の決定要因

前回の連載「ソーシャルキャピタルを形成せよ」でご紹介したアナリー・サクセニアン著『現代の二都物語』は、IT産業でのシリコンバレーの興隆とボストン128号線地域の(相対的)没落を分析し「ソーシャルキャピタル」の重要性を指摘しましたが、その後著した『最新・経済系地理学』においては、IT分野で、中国、インド、台湾、イスラエルがせいぜい10年の間になぜ驚異的な成長を遂げたのかを綿密な調査によって明らかにしています。

原題は「The New Argonauts」。これらの地域の起業家を、金羊毛を求めて冒険の旅に船出したギリシャ神話の「アルゴ号遠征隊員」(The Argonauts)になぞらえています。その分析は、中国、インド、台湾、イスラエルと異なってなぜ日本における起業が低迷しているのか、従来の国際経済学の学説が説くところとは異なった最新の産業競争力の決定要因を知る大きな手掛かりになります。

「頭脳循環」によるシリコンバレーと強力な連携がポイント

『最新・経済系地理学』においても、サクセニアンが指摘している結論は単純明快です。いま、中国、インド、台湾、イスラエルなどの経済がダイナミックに発展していますが、それはかつてシリコンバレーへ流出していった人材が、2000年以降母国に戻って活躍しはじめたからこそ実現されたというのがその結論です。「頭脳流出」から「頭脳循環」の時代に入って新しいパラダイムが生まれたというのがサクセニアンの分析です。

シリコンバレーからの帰国組みは、母国に戻ってもシリコンバレーとのパイプを断ち切りませんでした。

(※全文:2,014文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

加藤敏春(かとう・としはる)【スマートプロジェクト代表&エコポイント提唱者】
加藤敏春(かとう・としはる)【スマートプロジェクト代表&エコポイント提唱者】
1977年東京大学法学部卒業、同年通産省(現経産省)入省,84年米国タフツ大学フレッチャー・スクールにて修士号取得。その後、在サンフランシスコ総領事館経済担当領事,通産省サービス産業課長,東京大学大学院客員教授,内閣審議官等を歴任。1994年から95年にかけてインターネットの商用利用,ベンチャービジネスに関するシリコンバレーの動向を日本に紹介。以来各種の提言活動を展開し、一般社団法人スマートプロジェクトを設立。「エコポイント提唱者」として政府が進める省エネ家電&住宅エコポイント事業に協力するとともに、節電、スマートグリッドの推進、CO2排出削減等に関する公益的活動を展開。 著書に『スマートグリッド革命』(NTT出版)、『節電社会のつくり方』(角川書店)、『エコマネー』(日本経済評論社)、『マイクロビジネス』(講談社)など多数。第17回東洋経済・高橋亀吉記念賞最優秀賞などを受賞。「プランB」の詳細を記した新著『スマートグリッド「プランB」-電力大改革へのメッセージ』(NTT出版)を本年5月17日に上梓。
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