ここ数回にわたり、東京電力の改革イニシアティブと私の唱えるスマートグリッドのプランBについて、主として(1)「点」から「面」への戦略の転換、(2)技術だけを語ってもユーザはついてこない、の2つの問題意識に基づき述べてきましたが、今回はそのシリーズの最終回として「東京電力の改革イニシアティブが電力システム全体の改革につながるうえでは何が必要か」という視点から、私の考えを取りまとめてみたいと思います。
項目としては、(1)3.11 後の電力需給を踏まえた「電力大改革時代」の到来、(2)68%が評価していない“デマンドレスポンス先進国”米国の現実、(3)必要なのは顧客目線の具体的なビジネスモデル、となります。
3.11 後の電力需給を踏まえた「電力大改革時代」の到来
まず踏まえなければならないことは、2013年4月2日、「電力システムに関する改革方針」が閣議決定され、これにより今後、東日本大震災・福島第一原発事故後の電力需給状況を踏まえて、日本全国にわたる「面」を対象にした電力システム改革が推進されることになった事です。
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