気候変動交渉の現場から

中国、全土で排出量取引実施へ ― 実効的な気候変動対策のカギを握る国(3)

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3月に入り、中国も習近平国家主席と李克強首相の新しい体制が本格的にスタートすることになった。対日外交の方針、東アジアおよび東南アジア地区における安全保障、経済の舵取りなど世界の関心事の枚挙には事欠かないが、ここではすでにアメリカを抜き、温暖化効果ガスの排出で世界一になってしまっている気候変動への対策と、それに関連する環境・エネルギー技術分野における日中協力のチャンス、とくにビジネスにとっての機会について書いてみたいと思う。
(~中略~)
 ここで私が強調したいのは、昨今の反日運動や外交上のいざこざはあるにせよ、中国は、環境技術ではトップを行く日本の産業界にとってはまだまだ大きなビジネスチャンスが存在する市場であるということだ。

 特に中国国内における低炭素型の環境技術へのニーズは、新たな規制および政策を通じて高まる一方で、政治・外交的な姿勢とは別に、日本との協力には熱い視線が注がれている。そのカギを握っているのが、2つのカーボンマーケット政策と環境技術への国を挙げての投資拡大だ。(以上、前回記事より)

2013年には中国の多くの大都市を対象にpilot ETSを導入し、2015年には全国をカバーする予定

2013年には中国の多くの大都市を対象にpilot ETSを導入し、2015年には全国をカバーする予定。パイロット事業の対象は北京市、上海市、天津市、重慶市(Chongqing)、湖北省(Hubei)、広州(Guangdong)。上海では昨年8月からスタート

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