鳩山総理が2009年9月に国際公約として発表した25%削減目標についておさらいをしてみたいと思う。
国連総会での発言、そして年末にあったCOP15(コペンハーゲン会合)では、日本の2020年目標はそれなりに評価されていたと思う。国際交渉の場では、「日本の2020年までの削減目標=1990年比25%減」という認識になってしまっていた。「なぜ日本はその内訳をいつまでも発表できないのか?」と訝る声も聞かれるのだが、政治的なリーダーシップが示されないまま、現場の交渉官たちは、尋ねられれば25%削減という数値を静かに繰り返すか、こちらからはあえて言わない、という苦境に立たされることとなった。
そんな折に2011年3月11日の大震災と原発事故が起きたのである。その直後に開催されたAWG会合において、各国からお悔やみの言葉が述べられると同時に、多くの国から「25%の見直しについてはどうなのか?」と尋ねられたのだが、日本としては明確に回答することは不可能だった。
恐らく、今思えば、国際的な批判を受けることなく、目標の見直しが可能だったのはこの会議と6月の補助機関会合までだったと思うのだが、結局、今年11月に開催されるCOP19まで見直しを引っ張る羽目になった。民主党政権下での政治的なリーダーシップの欠如が招いた不幸な結果だったと思う。
(以上、前回までサマリー)
では、実際に今回の修正された(見直された)日本の削減目標は妥当なラインなのだろうか?
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