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気候変動交渉の現場から

続・TPPは環境にとって敵なのか?

島田 久仁彦

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環境基準

この問題についてはすでに触れているが、TPP交渉の結果いかんでは、「農産物の自由化で、海外からの環境安全基準の低い農産物が、安いという理由で(もしくは、何か不当な合意で)入ってくるのではないか。そうなると、お金をかけて、安全基準を遵守している日本の農作物は消費されなくなるのではないか」という懸念も聞かれる。

もちろん、安全基準の問題ゆえ、国民の食を通じた健康への被害の懸念もあるので軽視することは許されないが、私が不思議に感じるのは、なぜ、他国の環境安全基準を押しつけられるという発想になるのかということだ。

ちなみに、この分野(食に関する環境安全基準)は、TPP交渉においても各国の意見の隔たりがあるらしく、まだ交渉が妥結していないので、日本として自らが誇る「食に関する環境安全基準」の提案も大いにできるのである。

日本でも昨今、産地偽装問題や、レバ刺し事件でクローズアップされた食品衛生の問題が世間を騒がしているが、基本的には日本で流通している食料品の安全性は、世界標準で見てもトップクラスである。それに異論を唱える人はいないだろう。

(※全文:1,590文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)
島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)

 国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。現在KS International Strategies社のCEOを務める傍ら環境省参与およびSun Investment社のパートナーとしても活躍。


 これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

 2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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