環境基準
この問題についてはすでに触れているが、TPP交渉の結果いかんでは、「農産物の自由化で、海外からの環境安全基準の低い農産物が、安いという理由で(もしくは、何か不当な合意で)入ってくるのではないか。そうなると、お金をかけて、安全基準を遵守している日本の農作物は消費されなくなるのではないか」という懸念も聞かれる。
もちろん、安全基準の問題ゆえ、国民の食を通じた健康への被害の懸念もあるので軽視することは許されないが、私が不思議に感じるのは、なぜ、他国の環境安全基準を押しつけられるという発想になるのかということだ。
ちなみに、この分野(食に関する環境安全基準)は、TPP交渉においても各国の意見の隔たりがあるらしく、まだ交渉が妥結していないので、日本として自らが誇る「食に関する環境安全基準」の提案も大いにできるのである。
日本でも昨今、産地偽装問題や、レバ刺し事件でクローズアップされた食品衛生の問題が世間を騒がしているが、基本的には日本で流通している食料品の安全性は、世界標準で見てもトップクラスである。それに異論を唱える人はいないだろう。
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