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気候変動交渉の現場から

科学からのメッセージ:IPCC第5次報告書が伝えること(5)

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温暖化の一番の要因は、1750年以降、温暖化効果ガスと呼ばれる二酸化炭素、メタンガス、二酸化窒素すべての大気中濃度が上がり続けていることで、AR5によると、2011年のデータでは、工業化以前のレベルに比べて、二酸化炭素は1.4倍、メタンについては2.5倍、二酸化窒素については1.2倍の濃度を記録しているとのことである。

温暖化、気候変動は、とどまることなく進行し、今まで見ることが無かった悪影響を世界各地で引き起こしているのである。

3つ目のメッセージとして、「今世紀末までの世界平均気温の変化はRCPシナリオによれば0.3~4.8度の範囲に、海面水位の上昇は0.26~0.82mの範囲に入る可能性が高い」との結果がある。そのシナリオに「将来どうなるのか?」という見通しについて、いくつか述べられているので紹介したい。
(以上、前回より)

例えば、将来の降水量の予測については、地域差が激しくなり、先述したように、湿潤地域と乾燥地域、湿潤な季節と乾燥した季節の間での降水量の差異が増加するとのことで、言い換えれば、中緯度帯(日本も入る)では降水量は今後増え続け、亜熱帯では減り続ける(ついには全く降らなくなる)とのことである。

他には「21世紀中、海面は上昇し続け、かつ酸性化も進み、生物が住みづらい海になるだろう」とのことだ。

これを日本のケースで見た場合、先ほどのモデルの中心辺りである59センチ上昇と仮定したら、日本全土でゼロメートル地帯が今よりも5割増加し、都市計画に大きな影響を与えるとのことである。良く知られているように、日本の平野は狭く、大きな都市(ほとんどが、行政、経済などの中心が固まっている)は、平たく言えば、海に面しているので、海面上昇により、ただでさえ狭いとされる平野の面積が減ることにある。

(※全文:1,227文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦(しまだ・くにひこ)

環境省参与

国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。著書に『交渉プロフェッショナル:国際調停の修羅場から』(NHK出版)などがある。

これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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