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気候変動交渉の現場から

気候変動交渉はどこへ向かうのか? 2014年予想図(5)

島田 久仁彦

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2013年11月11日から22日(実際には23日まで)にポーランド・ワルシャワで開催されたCOP19は、それなりに「いい」会合だった。

大変な苦労の末、COP20に向けてどのようなタイムラインでダーバンプラットフォーム会合(ADP)の交渉を進めていくかも決まったし、今回合意すべきとされたLoss and Damageの議題についても、それなりの合意に至ったからだ。

ただ、2015年末までに『2020年以降の枠組み』と『それまでの野心の向上』について決定しないといけないというとてもタイトなスケジュールに直面していることも認識しないといけない。今回は、2014年の交渉がどのようになるのか、少し論点を整理してみたいと思う。

(以上、第1回より)

COP20が開かれるペルーのリマ(Photo by Mario Carvajal)

COP20が開かれるペルーのリマ
(Photo by Mario Carvajal)

6つ目は、私個人としては避けられないのだが、技術メカニズムがfully operationalになったという成果だろう。

2011年9月から稼働しているTECに加え、今次COPでModalities and Proceduresが合意されたことでCTCNも本格稼働することとなった。支援の窓口となるNDEs(Nationally Designated Entities)が指名されたら、ルール上、途上国は技術支援の要請をCTCに提出できるようになる(途上国)のと同時に、先進国にとっては自国のNDEsを通じて要請を受託できるようになる(先進国については、NDEを設けることは要請されていないが、欧州諸国はすでにNDEを、国内・域内の民間企業への情報窓口として設置している)。

さらには、今後、Advisory Boardが抱える重要な機能としてネットワーク機関の選定に係る基準作りが課され、早ければ秋口には初期ネットワーク機関も交えた技術メカニズムの仕組みが稼働することになるとの期待がある。

あとは技術メカニズムの中でのTEC-CTCNのリンケージ問題も、交渉上は初のジョイントレポートが合意されなかったが(問題は知財の扱い)、実質的にはすでにリンクはできているので問題はないだろう。

ただ、交渉との兼ね合いで、今後、若干ややこしいのが、ADP交渉との関連かと思われる。

(※全文:2,656文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)
島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)

 国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。現在KS International Strategies社のCEOを務める傍ら環境省参与およびSun Investment社のパートナーとしても活躍。


 これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

 2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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