3月に入り、中国も習近平国家主席と李克強首相の新しい体制が本格的にスタートすることになった。対日外交の方針、東アジアおよび東南アジア地区における安全保障、経済の舵取りなど世界の関心事の枚挙には事欠かないが、ここではすでにアメリカを抜き、温暖化効果ガスの排出で世界一になってしまっている気候変動への対策と、それに関連する環境・エネルギー技術分野における日中協力のチャンス、とくにビジネスにとっての機会について書いてみたいと思う。
(~中略~)
ここで私が強調したいのは、昨今の反日運動や外交上のいざこざはあるにせよ、中国は、環境技術ではトップを行く日本の産業界にとってはまだまだ大きなビジネスチャンスが存在する市場であるということだ。
特に中国国内における低炭素型の環境技術へのニーズは、新たな規制および政策を通じて高まる一方で、政治・外交的な姿勢とは別に、日本との協力には熱い視線が注がれている。そのカギを握っているのが、2つのカーボンマーケット政策と環境技術への国を挙げての投資拡大だ。
(以上、前回記事より)

発展を続ける中国。環境・エネルギー対策の技術ニーズは増すばかりだ (photo by Jonipoon)
クリーンな環境技術でニーズが高い9つの分野
カーボンマーケット、排出量取引制度に次ぐ3つ目は、国を挙げての環境技術への投資拡大の動きだろう。2012年1月にNDRCの下、解振華副主任直轄で環境技術への投資拡大および研究開発を図るべく上級委員会が組織され、WRI中国オフィス長で清華大学教授のProfessor Zou JIがその長に任命された。春節明けには正式に活動を開始し、そこに先述のように国内外から中国人専門家が掻き集められている。
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