2013年11月23日現地時間午後9時頃に、COP19は閉幕した。
COP会合の最終日が延長されることは、もうお馴染みの行事になりつつあるが、今回については、延長されたことを無駄に感じることはなく、1日以上の遅れの結果、今回決めるべきものと決まればいいと思われた内容については一応の結論が出された「いい」COPだったと思われる。その内容について、簡単にまとめてみたいと思う。
もともとは、市場メカニズムに関わる合意のパッケージを作りたいとの考えを持っていたようだが、6月の補助機関会合がロシア、ウクライナ、ベラルーシのブロックに遭い、そのために必要だとされたいくつかの議題の議論が全くできずに、市場メカニズム関連のパッケージ合意という、かなり野心的な目標は打ち砕かれた(結果、COP19ではそのツケを払うことになる)。
その結果、ポーランドとしても方向転換をせざるを得ず、元々重要視されていたADP(次期枠組み交渉ダーバンプラットフォーム)の行動計画とスケジュールに加え、途上国の要請に応える形で「資金メカニズム(特にグリーン気候変動基金の見通しと長期資金の見通し)」についての決定を目指すための「ファイナンスCOP」という位置づけを行うと同時に、気候変動の悪影響に関する損失と被害(ロス&ダメージ)に関する決定を行うという目標を掲げることとなった。
今回は「いい」COPだったのではないか、と書いたが、その理由は上記に掲げた3つについては一応の結論を得たからだ(それぞれ最後まではらはらさせられる結果となったが)。
(以上前々回まで)
さて、今回のCOP中には、日本関連で大きな出来事があった。2020年目標の大幅な見直しである。以前より、私も「1990年比2020年までに25%削減」という目標の見直しの必要性を論じてきたが、今回のCOP中にそれが発表されることになった。
「2005年比2020年までに3.8%削減」というものだが、これは1990年比に換算すると3.1%の増加となる。詳細についてはすでに日本政府としても説明をしているのでここでは繰り返さないが、今次会合中に他国に与えた、そして交渉に与えた影響について述べたいと思う。
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