2013年11月23日現地時間午後9時頃に、COP19は閉幕した。
COP会合の最終日が延長されることは、もうお馴染みの行事になりつつあるが、今回については、延長されたことを無駄に感じることはなく、1日以上の遅れの結果、今回決めるべきものと決まればいいと思われた内容については一応の結論が出された「いい」COPだったと思われる。その内容について、簡単にまとめてみたいと思う。
もともとは、市場メカニズムに関わる合意のパッケージを作りたいとの考えを持っていたようだが、6月の補助機関会合がロシア、ウクライナ、ベラルーシのブロックに遭い、そのために必要だとされたいくつかの議題の議論が全くできずに、市場メカニズム関連のパッケージ合意という、かなり野心的な目標は打ち砕かれた(結果、COP19ではそのツケを払うことになる)。
その結果、ポーランドとしても方向転換をせざるを得ず、元々重要視されていたADP(次期枠組み交渉ダーバンプラットフォーム)の行動計画とスケジュールに加え、途上国の要請に応える形で「資金メカニズム(特にグリーン気候変動基金の見通しと長期資金の見通し)」についての決定を目指すための「ファイナンスCOP」という位置づけを行うと同時に、気候変動の悪影響に関する損失と被害(ロス&ダメージ)に関する決定を行うという目標を掲げることとなった。
今回は「いい」COPだったのではないか、と書いたが、その理由は上記に掲げた3つについては一応の結論を得たからだ(それぞれ最後まではらはらさせられる結果となったが)。
(以上前々回まで)
3つめのワルシャワ会合の目玉とされた気候変動の悪影響に関する損失・被害(ロス&ダメージ)については、当初の予定通りに閣僚級まで議論があげられ、スウェーデンと南アの大臣が議論を進行する形で議論が最後の最後までもつれたが、COP22で見直すことを条件とし、カンクン適応枠組みの下に「ワルシャワ国際メカニズム」を設立することに合意して、何とか結果を残すことができた(最後には、まだロス&ダメは、適応の範疇に収まるものではなく、もっと大きな話をしているのだ!と主張する小島嶼国グループが、カンクン適応枠組みの「下」で話し合うことに抵抗したが、何とか収めた)。
具体的には、条約下の既存組織の代表により構成される同メカニズムの執行委員会の設立(暫定措置)、同メカニズムの機能(データやベストプラクティス等の知見の共有、国連を含む条約内外の関係機関との連携、資金・技術・能力構築含む活動と支援の強化)、機能の実施のための2カ年作業計画の策定や執行委員会の構成や手続きの検討(2014年12月のCOP20で検討)、COP22 (2016年)での同メカニズムについて見直し等を決定した。
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