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気候変動交渉の現場から

低炭素で高効率な新・石炭火力発電技術

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新しい、低炭素で高効率な石炭火力発電技術といえば、4月10日と11日に米国・ミシシッピー州Kemper(ケンパー)Countyで画期的な石炭火力発電を行おうとしているSouthern Company社の代表が東京を訪れ、私も2日間にわたっていろいろとお話を聞かせてもらったが、まだ実証実験段階にあるとはいえ、実用化されれば世界を変えうる石炭火力発電技術となり、また石炭を過去の遺産から未来に向けた有効なクリーンエネルギー源として用いることが可能になるとの印象をもった。

ちなみに、このKemper Countyのプロジェクトは、オバマプランが排出基準として設けた、温暖化効果ガス排出量をキロワットアワー時あたり500グラムまでとした、天然ガスプラントでも達成は困難とされる規制レベルを下回る360グラムまで低炭素化でき、かつ燃焼における灰を、空気圧力をかけて燃焼パイプ内をぐるぐる循環させることで、燃やしきり、その先のフィルターでほぼ100%二酸化炭素(CO2)とその他のガスを隔離することができるとのことだ。

ゆえに、「CCSを付設しない石炭火力発電所の新設はストップ」としたオバマプランの下でも、「例外」のケースとして認められ、また優良事例としても、米国エネルギー省が紹介するほどだ。また、近隣の石油プラントなどに、回収したCO2をEOR(石油増進回収法)の材料として、商品化して売ることで、見込みでは年間5000万ドルほどの売り上げとなるとのことで、これまで国際的に実施されてきたCO2の排出権の売買ではなく、CO2そのものを商品として売買できるという世界が実現する見込みとのことである。

(※全文:3,126文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦(しまだ・くにひこ)

環境省参与

国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。著書に『交渉プロフェッショナル:国際調停の修羅場から』(NHK出版)などがある。

これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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