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気候変動交渉の現場から

ダボス会議で語られた気候変動国際枠組みの未来 ― 島嶼国にも加害者の側面

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今回の参加の際には、私自身も意見を述べる機会が多くあったが、その一つを掻い摘んでご紹介したい。気候変動による悪影響が確実に激化してきており、数多い例のひとつとして、一昨年には、米国東海岸がSuperstorm Sandyに襲われ、2013年の冬は史上最低を記録する低温や豪雪に見舞われた。

また、英国に至っては、各地で大洪水が起きているし、豪州では、今夏は記録最高の猛暑が続く事態になっている。それでもなかなか気候変動に関しての国際的な取り組みを巡る効果的な合意には至らないのはなぜだろうか?

一つは、政治的なレベルでの盛り上がりの欠如が長く続いていることだろう。オバマ政権になり、抜本的な対策が練られるとの期待もあったが、慢性的な財政問題(政府予算問題)やオバマケアと言われる皆保険制度改革などの経済問題に忙殺されていることと、シェールガス・シェールオイルの商業化の見込みが立ち、今、活況を迎えようとしているエネルギー業界への気遣いもあるとされる。

豪州のように、与党における気候変動否定という極端なケースもあるが、気候変動最先端を自負する欧州でさえ、2030年の目標を議論するに当たり、内部での調整がつかなくなってきている。

しかし、その国も国内・域内では、それなりに対策を練って気候変動の悪影響への対応はしていることも確かだ。これは、今や世界最大の排出国となり、世界第2位の経済力を誇る中国についてもそうだと言える。

(以上、前回まで)

(※全文:757文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦(しまだ・くにひこ)

環境省参与

国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。著書に『交渉プロフェッショナル:国際調停の修羅場から』(NHK出版)などがある。

これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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