2013年10月22日付けのニュースで、英国が約30年ぶりに原発を新設するという報道がなされた。
ニュースによると、「英国政府は21日、英南西部ヒンクリーポイントに原子力発電所を新設することで、仏電力公社(EDF)などと合意した(2023年稼働予定)」とのことだ。ここで私が気になるのは、最後のところ、仏電力公社(EDF)「など」というところなのだが、報道によると、この「など」に日本の企業が含まれていないようだ。
実際には、総工費は160億ポンド(2兆5600億円)に上り、とても大規模なエネルギーインフラプロジェクトになることは容易に想像できるが、今回、このプロジェクトに絡む建設・運営を担う事業体には、EDFが45~50%を出資し、東京電力福島第1原子力発電所の事故の際にも有名になった仏原発メーカーのアレバが10%、中国原発事業会社の「中国広核集団(CGN)」と「中国核工業集団(CNNC)」が計30~40%をそれぞれ出資することになっているようだ。
昨年11月に日立製作所が原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収しており、英国での原発建設を目指しているのだが、今回の英国での久々のプロジェクト主体からはどうも外れたか外されたようである。私がショックを受けるのは、福島の事故後も、世界最高レベルの原発関連技術とノウハウを持ち、かつ安全基準でも世界トップと認められる日本の原子力発電関係企業の参加がないことだ。これはどのような意味を持つのだろうか?
一つ目の懸念は、日本が誇る原発トップレベル技術の衰退と流出への懸念だろう。
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