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気候変動交渉の現場から

続・「アラブの春と気候変動・環境問題の意外な関係」

島田 久仁彦

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『アラブの春』のスタートとなったチュニジアのケースだが、原因は、当時、『北アフリカの中国』とさえ呼ばれていたほど、年率10パーセント近くの経済発展を続けていたのだが、欧州財政危機により、その経済成長を支えていた対欧州輸出が滞った状況に、当時のリーダーが対応できなかったことに端を発しているとされている(注:チュニジアの著しい経済発展は、「ヨーロッパの製造拠点」という立場への過度な依存が主な理由であったがゆえに、欧州経済が停滞すると真っ先に影響を受けることになった)。

ただ、影響を被ったのは、比較的教育レベルも高く、対欧州のサービス業や高度な製造業に関わっていたエンジニアやビジネスの人たちで、その後各地で起こった他のケースほど低所得層の絡みはなかった。

輸出収入の著しい低下により、贅沢を享受できなくなったにせよ、国民の生存に関わるような問題にまで発展はせず、主に立ち上がったのは中流階級層の労働者と学生たちで(Facebookなどのソーシャルメディアを駆使する)、全国民的な暴動にまでは至らず、平和裏に問題は数日で解決された。

(※全文:2,897文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)
島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)

 国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。現在KS International Strategies社のCEOを務める傍ら環境省参与およびSun Investment社のパートナーとしても活躍。


 これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

 2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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