もう一つの大きなギアチェンジは、やはり中国の交渉スタンスの転換だろう。アメリカ同様、交渉チームの強化を図っていることは明らかだが、昨年来続けられている米中環境エネルギー戦略対話を通じて、両国間での意見の調整が、思いのほか進んできており、アメリカの目から見ても「やっと中国からのコミットメントを引き出せるのではないか」と信じるに足るほど、中国政府として「次期枠組みにおいて、どのようなコミットメントを負うのか?負えるのか?」ということを真面目に検討しているようだ。
これまでは、明らかにコミットメント逃れという目的のもと、交渉においては、半ば常識外れもしくは大変失礼極まりないような内容の演説を行い、進捗を遅らせていたのだが、ここにきて、途上国の先頭を切って先進国批判をする姿勢を弱め、交渉の行く末をじっと静かに見守っているようにさえ見えるほど、おとなしく見える。
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