再エネ新時代における木質エネルギーの役割

小型バイオマスCHPのホープ:木材ガス化発電

  • 印刷
  • 共有

分散型の熱電併給(CHP)は、木質バイオマスのエネルギー利用において今後中心的な役割を担うと目されているが、最大のネックは、研究開発の多大な努力にもかかわらず、電気出力500kW以下の小型のクラスで、実用に耐える技術が確立していないことだと言われてきた。それが、この2010年代に入って小型ガス化発電の実用機がドイツに出現して急速に広まっている。今回と次回はその話をしよう。

木質バイオマス発電の泣き所:克服を目指す二つの流れ

FITのスタートで5MWとか10MWのバイオマス発電所が続々と建設されようとしている。しかしこれくらいの出力規模のプラントでも木材の持つエネルギーの25%くらいしか電気に換えられない。ひと昔前なら、効率25%程度の石炭火力発電所も動いていたから、バイオマス発電もそれほど見劣りしなかった。しかし最近の石炭火力は40%ないしそれ以上の高効率で運転しているし、天然ガスを使う最先端の発電プラントなら、60%を超えるだろう。変換効率の低さがバイオマス発電の泣き所になってしまった。

続きは有料会員登録後にお読みいただけます。

  • オンラインでは実務に直結する有益なオリジナル記事を掲載
  • 登録月(購入日~月末)は無料サービス
  • 環境設備の導入・営業に役立つ「補助金情報検索システム」も利用可能
  • 本誌「環境ビジネス」の電子ブックも読み放題
月額
1,300
年額
15,600

関連記事