木質エネルギーの先進国であるスウェーデンでも、木質燃料の価格に関してエネルギー庁から四半期ごとのデータが公表されるようになるのは1993年からである。しかし山から下りてくる林業チップについては、その信頼度に多少の問題はあるにせよ、1970年代から価格統計が集められていた。それをエネルギー庁の公式のデータとつなぎ合わせれば、40年以上にわたる長期の動向を辿ることができる。
下の図2はそうした試みの一つである。出典は図1(連載(1)に掲載)と同じだが、林業チップのほか、製材工場の背板からつくる残材チップ、建設廃材からのリサイクルチップ、さらに木質ペレットの価格も掲げられている。価格の単位は前図と同様に発熱量当たりのSEKであるが、図1が貨幣価値の変動を考慮しない名目価格で表示されているのに対し、図2のほうは2015年8月を基準にした実質価格であることに留意されたい。