日本においても前回のBiomassehofのように山から下りてくる低質丸太(構造用材に不向きな小径材や欠陥のある丸太)を生トン単位で買取り、燃料用チップに加工して販売する例が増えている。その先鞭をつけたのが真庭市のバイオマス集積基地だ。現在のところ国内で最も整備された集配センターの一つと言えるであろう。
真庭市はNEDOの「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」に応募して採択され、2005~09年度にわたって事業を実施した。これは林地残材や樹皮等の未利用資源を燃料化する実証実験で、筆者はその評価委員として最初から関わってきた。そこで集積基地が誕生した当時の状況から見ていくことにしよう。