再エネ新時代における木質エネルギーの役割

国際化進む木質ペレット市場と日本(5) ~日本の現状と課題~

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木質ペレット市場の国際化が進展する中で、ペレット製造プラントの大型化が進み、廉価で品質の安定したペレットの大量生産が始まっている。前々回に述べたように、年産能力1万トン以上の工場は世界全体で800を超えているが、日本の工場でこのリストに載っているのは6カ所だけである。そのいずれの工場も年産能力は3万トンに満たない。海外では年産能力10万トン以上の工場が150も稼働しているというのに、何とも情けない話である。

わが国の場合は、一昔前の家内工業的な体質が色濃く残っていて、本格的な工場生産体制への移行がうまくいっていない。その結果、木質ペレットの生産コストが割高になり、原油価格が低落した昨今ではすっかり市場競争力を失っている。さらに操業率が低く間断的な小規模生産では、どうしても製品の品質に大きなばらつきが出てしまう。今日の先端的な燃焼機器は高品質ペレットの安定した補給を絶対の条件としており、国産ペレットではこの要件を満たせないケースが少なくない。

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