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木質バイオマス発電のFITは両刃の剣だ

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2012年7月にスタートしたFITの制度が、国内の木材利用にどのような影響をもたらすのか、期待半分、懸念半分で見守ってきたが、4年目を迎えた今、ようやくその影響が少しずつ表に出てきた。とくに未利用木材の電気に対する買取価格が比較的有利に設定されたために、相当数の発電事業者がこの制度に参加することになり、燃料用の森林チップの需要が押し上げられた。そのお蔭で、日本林業の積年の悪弊ともいうべき「伐り捨て間伐」の類が急速に減っている。この限りで木質バイオマスFITの導入は初期の目標を達成しつつあると見てよいであろう。

その一方で森林から下りてくる小径丸太の価格上昇が見られ始めた。紙パルプ、合板、製材などマテリアル利用での原木調達に影響が出てくるのは当然である。発電以外のエネルギー利用も、使う木質原料が共通しているから、影響をもろに受ける。木質バイオマスFITは木材利用の既存の秩序を根底から揺るがす可能性があり、まさに「両刃の剣」なのだ。顕著な効き目とともに副作用も大きい劇薬と言っていい。この副作用をなるべく少なくするにはどうすればよいか。それが当面の最大の課題である。

(※全文:3,995文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

熊崎 実(くまざき・みのる)

一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 会長

1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。

著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会への相談は「mail@jwba.or.jp」まで。

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