近年の木質エネルギービジネスで最もダイナミックな展開が見られるのは、世界のペレット市場である。木質ペレットというのは、木材を細かく粉砕して円筒状に小さく固めたものだが、形状が安定しているうえに水分率も10%以下に抑えられているから、家庭用の小型ストーブでも燃料の自動補給ができるし、微妙な温度調節も可能だ。さらに大型の火力発電所でのバイオマス混焼においても、ペレットは最適な燃料とされている。
もう一つ、木質ペレットの特徴として見逃せないのは運搬費の負担能力が高いことだ。早い話、1立方メートル当たりのエネルギー密度は、生の木材が2~3GJ/m3であるのに対しペレットはその4倍の10~12GJにもなる。木質ペレットを満載した大型の専用船が大西洋や太平洋を横切るのはごく普通のことになってきた。