イギリスの森林研究所(Forest Research)は、同国のエネルギー・気候変動省(DECC)の依頼を受けて、木質バイオマスのマテリアル利用とエネルギー利用が大気中の温室効果ガス(GHG)バランスにどのような影響を与えるかを包括的に分析している。分かりやすく言えば、次のような設問に答えることであった。
この設問に答えるべく、代表的な森林経営のパターンをいくつか設定したうえで、木材利用のさまざまなシナリオを準備し、ライフサイクル・アセスメント(LAC)の手法を用いてGHGの動態が定量的に分析されている。今回は上記の02の設問に焦点を合わせ、マテリアル利用とエネルギー利用の競合問題にどのような決着がつけられたか、見てみよう。