一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 顧問 熊崎 実
最終更新日: 2017年05月15日
前回詳しく述べたように、木質バイオマスの有効利用という視点からすると、これまでのドイツのFITは比較的うまく運営されてきた。
何よりも、FITの報償額(買取価格)が、出力規模、熱電併給の有無、使用する木質燃料の種類などに応じて、きめ細かく決められていたため、買取価格の操作を通して木質バイオマス発電の方向付けがある程度まで可能になったのである。原料を巡るマテリアル利用との激しい競合を避けながら、目標とする分散型熱電併給システムの普及に成功したのも、FITのこうした運用に負うところが大きい。