再エネ新時代における木質エネルギーの役割

木質バイオマス発電のFITはこのままでよいのか(5・完)~FITの市場統合を見据えて~

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曲がり角にきたFIT制度

欧州で始まった固定価格買取制度(FIT)は、いま大きな曲がり角にさしかかっている。それを象徴するのが、2014年の春に公表された欧州委員会(European Commission)の「環境・エネルギー分野での国家助成に関するガイドライン」脚注)である。市場からのシグナルを無視して決められている現行のFITを段階的に廃止してプレミアム方式に移行し、2020~30年には市場経済と完全に一体化させる(つまり国家助成をゼロにする)という方針が打ち出された。

数年前までは、グリーン電力を普及させるうえでFITはきわめて有効な政策手段で、プレミアム方式やクォータ方式よりも断然優れているといった論議が多かった。各国が競うようにFITを採用し、わが国もそれに倣ったのだが、近年ではFITの負の側面が強調されるようになり、評価が完全に逆転した観さえある。

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