国際エネルギー機関(IEA)などの公式統計で欧米諸国と比較すると、日本における木質バイオマスのエネルギー利用は、その豊かな森林資源にもかかわらず、かなり低いレベルにとどまっている。日本の木質燃料消費量が他国に比べて落ち込んでいるのは事実だが、関連統計の不備にも原因がある。行政サイドで正確な数字を把握していないために、過少な数字が国際機関に報告されていたのだ。
最近になってようやく是正の兆しが見え始めた。林野庁が新しく公表した2014年の「木材需給表」には、森林から下りてくる燃料チップ用木材の項目が付け加えられた。さらに工場残材や建設廃材に由来する燃料用のチップの量も「外書」で把握できるようになっている。この両者を加えたエネルギー用木質バイオマスの総量は、丸太換算で1,268万立方メートルになる。
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