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いま求められているのは分散型熱電併給システムを定着させることだ

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ドイツやオーストリアのFITでは、小型の木質バイオマス発電に対する報償額を高めに設定している。その第一の理由は、発電コストが割高になることだが、それと同時に、分散型の熱電併給(CHP)システムを普及させるという政策意図も見逃せない。近年、構造用木材やパルプ用材の需要も増加し、木質原料の需給は逼迫の一途をたどっている。この貴重な資源を発電だけで使うのはもったいない。発電するなら廃熱も使うCHPで行くべきだという機運が欧州で広がっている。日本においても今後そうした機運が高まることはほぼ間違いない。この4月から実施されることになった小規模木質バイオマス発電の「別区分化」も、CHPの普及に役立ててこそ意義があると思う。

厄介な買取価格の設定

よく知られているように、蒸気ボイラ・蒸気タービンによる通常の発電方式では「規模の経済」が強く効いてくる。つまり、他の条件を同じにして、出力規模だけを小さくしていくと、発電コストは急角度で上昇する。ところがわが国の木質バイオマスFITでは、出力規模による買取価格の差別化がなされていなかった。モデルになったのは5MWの蒸気タービンプラントで、これをもとにして定められた買取価格が、規模の大小を問わず、すべてのプラントに一律に適用されていたのである。

こんなやり方はおかしい、小規模発電にもっと配慮すべきだ、とする意見は以前から根強くあった。そうした立場からすれば、今回の小規模発電の「別区分化」は当然の措置であり、遅きに失したとも言えるだろう。しかし規模によって差別化するという問題は、言われるほど単純なことではない。

(※全文:4,413文字 画像:あり 参考リンク:あり)

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この記事の著者

熊崎 実(くまざき・みのる)

一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 会長

1935年岐阜県生れ。農林省林業試験場(現・森林総合研究所)林業経営部長、筑波大学農林学系教授、岐阜県立森林文化アカデミー学長を歴任。現在は、筑波大学名誉教授、日本木質ペレット協会会長、一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会会長。専門は国際森林資源論、農学博士。

著書に『林業経営読本』(日本林業調査会)、『木質バイオマス発電への期待』(全国林業改良普及協会)『木質エネルギービジネスの展望』(同左)、『木質資源とことん活用読本』(編著、農文協)ほか。訳書に『日本人はどのように森をつくってきたのか』(C.タットマン、築地書館)、『樹木学』(P.トーマス、築地書館)ほか多数。

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会への相談は「mail@jwba.or.jp」まで。

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