風力発電 大量導入への道

意外と知らない稼働率と設備利用率の違い(中)

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前回の最後で「稼働率を巡るマニアックな議論」を予告しましたので、今回はそれについて書いてみたいと思います。最初に申し上げておきますが、今回は相当細かく重箱の隅をつつくような議論ですので、もしかしたら多くの読者が「なんで言葉ひとつにこんなに細かいことをぐだぐだ議論してるんだ・・・?」と呆れ、途中で飽きてしまったり投げ出してしまうかも知れません。しかし、この議論を笑う者はメンテナンスを嗤うことにほかならず、結果的にビジネスに泣くことになりかねません。途中は軽く読み飛ばしても構いませんので、是非最後までお読み下さい。風力発電の「稼働率」、実に奥が深いです。

稼動率という言葉を定義するためだけの国際規格

「稼働率という用語を定義するために,国際規格がひとつ立ち上がる」と最初に聞いた時は、さすがに筆者も目が点になりました。風車に関する国際規格は国際電気標準会議 (IEC) が発行する IEC 61400シリーズとして知られ、枝版も含め20本前後の規格・技術仕様書が発行されています。そこに、「稼働率という用語を定義するためだけ」のために、もうひとつ規格を作ろうというのです。筆者も翻訳書を手がける際などに、用語の定義が重要であるというのは切実に実感していますが、さすがにこれには「スゲー・・・」と感嘆の声を上げるしかありませんでした。

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