「再エネは不安定なのでバックアップ電源が必要」・・・。相変わらず巷ではそのような神話が跋扈しています。本コラムでは既に2015年3月30日号掲載の「バックアップ電源以外の選択肢」において、現在国際的に議論されている「柔軟性 (flexibility)」という新しい概念を紹介し、火力によるバックアップ電源はその中の選択肢の一つでしかないということを示しました。しかし、この柔軟性という概念はまだまだ一般に認知されているとは言い難い状況なので、今回、再び取り上げたいと思います。
例えば、日本では風力や太陽光などの再生可能エネルギーの問題点として「不安定」「予測困難」「電力系統に迷惑をかける」などと指摘されることもあり、日本ではその「不安定さ」を補うために火力発電による「バックアップ電源」が必要、との認識が根強く残っています。電力工学にある程度詳しい方ほどこの傾向にあるように思われます。