「ベストミックス」もしくは「エネルギーミックス」の議論が佳境に入っています。エネルギーミックスとは発電電力量におけるエネルギー源の配分(すなわち電源構成)のことを示します。一方、ベストミックスはよく「最適な電源構成」などと説明されます。しかし海外文献を調査するとわかるのですが、実は海外のエネルギー政策に関する議論では、energy mixという表現はよく使われるものの、best mix という表現はほとんど登場しません。
このことは国もさすがにうすうす気づいているのか、最近の審議会等の資料では「ベストミックス」はほとんど使われず、よりニュートラルな「エネルギーミックス」あるいは「電源構成」が用いられています。しかし筆者がウェブや新聞データベースで調査した結果では、依然として電力会社をはじめとする産業界の資料や政治家の発言でこの「ベストミックス」という言い回しが多用されています。さらにマスコミも同様で、多くの日本のメディアがこの用語を好んで用いる傾向にあります。
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