この原稿は、ブリュッセルから帰国途中の飛行機の中で書いています。これまでもたびたび国際規格の現場をリポートしてきましたが、今回筆者が出席したのは国際規格の会議ではなく、「Wind Integration Workshop」(以下、WIWと略)という風力発電の系統連系問題の学術会議です。この会議の参加報告を行いながら、日本の外で何がホットに議論されているかを紹介したいと思います。
このWIWは「学術的」と言っても、大学の研究者ばかりが集まって机上の空論をするのではなく、送電系統運用者(TSO)や発電事業者など産業界の技術者も数多く参加し、EUの国際プロジェクトや各国の国家プロジェクトなどの成果も華々しく発表されているのが特徴です。この会議はすでに15年の歴史があり、風力の系統連系というごく狭い分野を扱うにもかかわらず、参加者も優に200人は超えています。