風力発電は外部コストが一番少ない電源です。「外部コスト」とは、あとで詳しく説明しますが、簡単に言うと「他人に迷惑をかける度合い」と考えてよいでしょう。換言すると、風力発電は、他人に迷惑をかける度合いが最も低い電源である、ということができます。
このように書くと、「いや、風力発電は低周波の問題や景観、バードストライクなど問題が山積ではないか!」とおっしゃる方もいるかも知れません。確かに、そのような問題はゼロではないでしょう。風力発電にも外部コストは存在します。しかし、電源(各種発電方式)のみならず、我々人類が生み出した工業製品の中で「まったく問題がない」製品はおそらく存在しません。重要なのは「問題がある」「問題がない」というゼロか1かの極端な二元論ではなく、「その度合いがどれだけか」という冷静で客観的な議論です。このため後半では、外部コストの問題に限らず、極端な二元論に陥らないための方法論についても言及します。
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