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風力発電 大量導入への道

「接続拒否」という新たな誤解と神話(その1)

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このコラムではこれまで主にメンテナンスを中心に議論してきましたが、今回はメンテナンスに関する議論はお休みして、最近話題のトピックスを取り上げてみたいと思います。それは「いわゆる接続拒否」問題です。この問題は以前から散見していましたが、最近になって九州電力が接続申込の回答保留を発表して以来、急速に議論が活発になっているようです。しかしその議論の多くが十分本質を捉えておらず、新たな誤解や神話を生み出しているようにも思えます。

「いわゆる接続拒否」問題の重層的な原因

ある再エネ太陽光発電の場合が多い)事業者が電力系統に接続するために電力会社に問い合わせた際、数ヶ月前の簡易検討では何も言われなかったにも関わらず、正式アクセス検討の段階で突然多額の系統増強費を請求されたり、長期の工事期間が必要であることが判明したケースが増えているようです。このような系統増強費の請求や長期工事を以て「接続拒否をされた」「事実上の接続拒否である」という表現が最近(特にメディアの記事で)多く見られます。

このような高額の系統増強費を請求され事業を断念せざるを得ない事業者の憤りも理解できないわけではありませんが、厳密に言うと、多くの場合それは接続拒否ではありません。上記の系統増強費の請求はそもそもFIT法(正式名称:電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)第五条で定められている接続拒否とは別ものだからです。

(※全文:4,834文字 画像:なし 参考リンク:なし)

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この記事の著者

安田 陽(やすだ・よう)

関西大学 システム理工学部 准教授

1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(当時)助手。専任講師、助教授を経て現在、同大学システム理工学部准教授。現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。 現在、日本風力エネルギー学会理事。電気学会 風力発電システムの雷リスクマネジメント技術調査専門委員会 委員長。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。主な著作として「日本の知らない風力発電の実力」(オーム社)、翻訳書(共訳)として「洋上風力発電」(鹿島出版会)、「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など。

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