前々回、前回と、エネルギーミックス(電源構成)における再生可能エネルギー(以下、再エネ)と石炭火力の関係に着目して、日本のエネルギー政策の孤立性と特異性を論じてきました。今回は一連のシリーズの最終回です。前回までに、世界中の先進国の多くは石炭火力を減らす努力をしてきたということがデータより改めて明らかになりました。
では、各国は石炭を減らした代わりにそれを何で補ってきたのでしょうか? そのことを視覚化するために図1に、各国の1990年と2013年の電源構成を横並びで比較したいと思います(日本のみ、原発事故直前の2010年、文献[3]による2030年目標案も記載)。図1では、各国の1990年の発電電力量を100%としています。