急激な成長を遂げてきた太陽光発電市場であるが、接続可能容量の問題、固定価格買取制度の変更、買取額の議論と、市場環境に陰りが見え始めた。課題先進市場でもある欧州市場における事例をはじめ、欧州で進む蓄電池パリティを見据えた動きも紹介する。なお、全文は2月25日から始まる「スマートエネルギーWeek2015」で配布される、「環境ビジネス」特別冊子にて掲載する。
欧米の課題先進市場から日本を捉える
経済産業省(METI)による固定価格買取制度における導入状況の報告によると2014年1~10月の太陽光発電の導入量はACベースで6.9GWとなっており、DCベースでは9GWレベルを超えそうである。
2012年に同制度が開始されて以来、大きく成長してきた太陽光発電市場であるが、接続可能容量の問題も浮上し、固定価格買取制度の運用についても省令などにより変更が決定した。また、1月15日には調達価格等算定委員会が再開され、新年度からの買取額の議論もスタートした。
一方、太陽光発電の世界市場は、2014年には約40~42GWが導入されたと推計される。欧州市場は、ドイツ、イタリアでの市場縮小により、約7~7.5GWのレベルとなる見通しであるが、フィードインタリフ(FIT)制度の終了や縮小が発表されるなかで、導入モデルの変化の兆しが出てきている。
また、固定価格買取制度が実施されていない米国では、異なるメカニズムによる導入が進展している。こうした導入モデルは、今後の日本の将来市場を見通すうえで、参考になると考えられ、本稿では、世界市場における太陽光発電市場の牽引力について概括し、課題先進市場でもある欧州市場における事例や米国市場における導入モデルの変化について概説したのち、日本における太陽光発電市場の見通しについて述べる。
★本記事は3月16日発売 季刊「環境ビジネス」2015年春号にも掲載されています。
【特集】グリッドパリティ達成後の市場対応
雑誌も届く、環境ビジネスお得な3大購読特典が付いた
プレミアム会員の登録はこちら
(※全文:4,470文字 画像:あり 参考リンク:なし)