再エネビジネス優遇税制

エネルギー補助金2種紹介 中小企業の創電・蓄電支援とカーシェア補助金

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私は税制優遇の申請や補助金の申請を業として行っているが、特に補助金は数が多くすべてを把握しきれていない。今回は最近知り得た「中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業」補助金(東京都)と、通称「カーシェア補助金」を紹介する。

「中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業」補助金(東京都) 

以前、クールネット東京に東京都(都内設置)の自家消費型の補助金申請をしたところ、「中小企業の経営安定化に向けたエネルギー自給促進事業」補助金を紹介された。

同事業ではまず、専門家派遣を依頼し、経営基盤の強化に向けた創電・蓄電に関する取り組みを検討している中小企業者からの申し込みに対し、専門家が事業所などを訪問し現地調査や助言などを行う。その後、専門家派遣において、経営基盤の強化のために必要と認めた場合に、創電・蓄電に関する設備の導入に必要な経費の一部について助成を受けられる。

例として、太陽光発電、小型の風力発電、その他発電に関する設備、蓄電池およびその他蓄電に関する設備が挙げられる。

助成率などは以下のとおりである。

  • 助成限度額:1500万円(申請下限額100万円)
  • 助成率:助成対象経費の3分の2以内(小規模企業者については4分の3以内)
  • 助成期間:交付決定日の翌日から1年

なお、小規模事業者に該当する場合などは、「クールネット東京の地産地消型再エネ増強プロジェクト(都内設置)」補助金よりも補助額が大きくなる可能性がある。併せて、申請を検討したい。

カーシェア補助金(環境省)

正式名は「再エネ×電動車の同時導入による脱炭素型カーシェア・防災拠点化促進事業」。国(環境省)所管の補助金である。

カーシェアというと、有料会員で車をシェアする仕組みのイメージだが、こちらは、たとえば民間企業が非営業時間などに、従業員に有償または無償で電動車を貸渡すようようなことでも要件を満たすようだ。詳細な要件は、同補助金ウェブサイトで確認していただきたい。

補助率としては、再エネ発電設備1/2以内、電気自動車1/3以内、V2H充放電設備1/2以内などと定められているが、再エネ発電設備以外は、電気自動車120万円などと上限額が定められており、結果として上限額となることが多い。

環境省ストレージパリティ補助金でも、再エネ設備+電気自動車+充放電設備等に対する補助があり得るが、再エネ設備1/2の補助率であるこちらの補助金の方が、大きな補助額となる可能性が高い。こちらも併せて申請を検討したい。

以下の公募期間が公表されているが、そろそろ予算がなくなる見込みだ。2024年以降の予算にも期待したい。

  • 第1期:2023年3月24日〜2023年6月30日17時まで
  • 第2期:2023年8月1日〜2023年10月31日17時まで
  • 第3期:2023年12月1日〜2024年1月31日17時まで

総括

今回は2種の補助金を紹介した。電気自動車の車載型蓄電池を活用したカーシェア(再エネ×電動車の同時導入)への取り組みは蓄電池の普及が遅れ、まだまだ高額な日本では有用だと思う。特に、自治体の再エネ補助金が充実していない地域では、ストレージパリティ補助金(補助率:原則4万円/kW)しかないので、積極的にカーシェア補助金の活用も図りたいところだ。

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