> コラム > パネルの次はパワコンウオーズ
クローズアップ・マーケット

パネルの次はパワコンウオーズ

記事を保存

スタンダード会員登録 のあとに ログイン していただくと全文をご覧いただけます。

筆者は、2012年12月、北京で行われたシンポジウムで太陽光発電に関して講演し、日本の年間導入量は間もなく500万kWに達し、ピーク時には1000万kWとなり、世界最大の市場になると言った。

それに対して、会場から質問があった。「日本市場は閉鎖的だから外国勢にはチャンスはないのではないか」。確かに以前はそうだった。パネルに関しては、2008年には外国メーカーのシェアは1%にも満たなかった。しかし、その後、急速に増加し、2012年には30%に達したと推定されている。ドイツはすでに50%以上が外国製だが、日本も近いうちにそうなることは間違いない。

供給不足が牙城崩壊のきっかけに

パネルの次はパワコン(パワーコンディショナー)だ。パワコンは太陽光発電で生み出した直流電力を交流に変換する機器でインバーターの一種。現在は、規格や認証などの非関税障壁もあり、国産がほぼ100%を占めている。ある国内大手メーカーは「5年は安泰」と言っているが、それは楽観的過ぎる。

確かに、日本の基準は高い。また、規格も違うのだが、規格の中でも電圧では日本の方が不利であり、また、外国製品の品質はどんどん良くなっている。

実は、パワコンにおける日本勢の牙城はすでに崩れつつある。その一つの理由が大変な品薄状況だ。今すぐにメガソーラーを建設しようとすると、パネルはすぐに入手可能だが、パワコンは3ヶ月以上待たねばならない。

「いくら作っても追いつかない」という状況は、日本メーカーにとっては久々に経験する「我が世の春」である。しかし、絶頂期こそが危機の始まり。品薄の現在、外資にとっては日本市場参入の絶好のチャンスでもあるのだ。

ドイツSMA、国内最大メガソーラーで全量受注

現在日本で建設中(着工済み)のメガソーラーの中で最大のものは、京セラ、IHI、KDDIなど計7社が鹿児島市で手掛ける「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」である。出力は70MW(7万kW)。2012年9月に着工、2013年秋完成予定である。

なんと、この国内最大級のメガソーラー向けのパワコンを世界最大手のドイツSMAソーラー・テクノロジーが全量受注した。国内勢の牙城だったパワコン市場で初めて外国勢が本格的に切り込んだことになる。

(※全文:1,923文字 画像:あり 参考リンク:なし)

スタンダード会員の方はここからログイン

クローズアップ・マーケット バックナンバー

この記事の著者

村沢 義久氏
村沢 義久 (むらさわ・よしひさ)

 東京大学総長室アドバイザー。2010年3月31日で特任教授の任期を満了し退任。太陽光発電と改造EVを推進。2011年度には「かながわ ソーラープロジェクト研究会」の会長を務め、2012年度には「かながわスマートエネルギー構想推進検討会議」の会長を務める。

記事を保存

環境セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.